不登校になって選択肢が減ったから不幸になるというのは事実と反した話です。選択の矛盾
不登校の子から多い相談
進路指導の相談が多いです。卒業生からも
「仕事を辞めた方がいいのか」
とか、受験生からも
「××になりたいけれど」
という相談も。また、不登校の子を抱えているお母さんからも相談を受けています。
「学校に行っていませんが・・」
とか、
「どうしたらいいのでしょうか?」
「どうすればいいのでしょうか?」
という相談です。親としては学校に通わせたいが子どもは学校に行ない。
親はどうしても
「学校に行かない・・と」
と考えますよね。そうすると
「じゃ、なぜ学校に行かないといけないのか?」
と考えてみると
「将来、上の学校に行ない」
「就職するとときに困る」
などいろいろ言われます。そして、
「選択肢が狭まる」
ということを言われます。私も何人もの
「不登校だった子」
を指導してきました。その中で
「親が不登校から脱出して大学に行く子」
「自分で自分の行き先を決める子」
また、
「自分でも迷っている子」
などいろいろな子がいました。そんなときは、お母さんにこんな話をします。
選択の矛盾
それは
「選択の矛盾」
です。今まで指導するときは
「選択肢がたくさんあった方がいいよ」
とか
「選択の幅を広げた方がいいよ」
という話をしてきました。高校のときにも
「選択肢を広める」
という話ばかりをしていました。それは
「子どもの幸せにつながるから」
です。ですが、今の指導では逆に
「選択肢を狭める」
とか、
「選択肢を作る」
という指導を考えています。それは、
「その方が子どもの幸せにつながる」
からです。それはいろいろ調べているうちに
「自分が信じていたことが違う」
ということがわかってきたからです。
実験からわかったある事実
例えば、ある実験でこんな話があります。
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あるスーパーのジャム売り場。
イチゴジャム、
ブルーベリージャム、
アプリコットのジャム、
マーマレードなどなど、
いろんな種類のジャムが置いてあります。そして、どちらが売れるのか次の実験しました。
それは、
1.24種類のジャムを用意
2.6種類のジャムを用意
ここでは、
「どっちが売れた?」
と思いますか?実は
「種類が多いか24種類かな?」
と思いますか?実は結果は
「6種類のジャムを用意した」
ものです。ここでは売れた話は置いておいて
「満足度」
という意味でも、買った人に調査してところ
「6種類の中からジャムを買った人」
の方が満足度が高かったそうです。通常は
「選択肢が多い方がいろいろ選べて幸せ」
と思われるかも知れません。ですが、実際には
「幸せを感じるのは選択肢が少ない」
方だったのです。
6種類から選んだ人で、イチゴジャムを選んだ人は
「やっぱり、イチゴが一番」
と思って選んでいて、他の選択肢は考えていません。
ですが、24種類から選んだ人は
「イチゴもおいしけれど他のももっとおいしかったかな」
と思ってしまうのです。実は
「いろいろできる人」
が
「社会に出てうまく行かない」
のもそこに理由があります。
選択肢が多いとうまくいく?
「選択肢がいろいろありすぎて 1つのことに集中してがんばれない」
のです。そういう私がそうでした。
「いろいろ経験して何でもそこそこできる」
と思っていろいろな仕事を経験しました。
「職業」
もありますし、
「職務」
もあります。ですが、いつも
「他にもあるのかな」
と思って
「100%の力」
が発揮できませんでした。ですが、独立して塾を始めてうまく行かなかったとき、それが変わりました。
「通常の形の塾」
をスタートさせてたもののうまく行かない。また、自分の性格上
「一度にたくさんの子どもを指導する」
ということにストレスを感じていました。
「教える生徒はたくさん欲しい」
でも
「たくさんいるとストレスになる」
と2つの矛盾を抱えて仕事をしていました。当然ですが、
「生徒は集まらなかった」
のです。一番幸せに感じるのが
「少ない生徒とじっくり話をする」
ことなのに、やらないといけないのは
「生徒をたくさん集めて生活をしないといけないこと」
だからです。そして
「挫折」「挫折」「挫折」
の最後にたどり着いたのが
「インターネット」
でした。そして、逆に
「インターネットしかない」
とたった1つの選択肢になったとき、その力が発揮されました。今まで
「うまく行かなった」
ことがどんどんうまく行くようになったのです。インターネットの世界に入ったときは
「うまく行かなかったら他をやろう」
とか
「うまく行かなかったらサラリーマンに戻ろう」
とか全く思いませんでした。
「道を1つに選んだとき」
に力が発揮されたのです。
「不登校になると選択肢が狭くなって不幸」
ではなく、
「より自分の力の発揮できる選択肢を選ぶようになる」
あるいは
「選択肢を自分で作るようになる」
のです。
選択肢は減っても不幸ではない
ぜひとも、学校に行かなくなったことで選択肢は狭くなったかも知れません。
だからこそ
「他の人とは違う選択」
を真剣に考えたらいいと思います。この内容は昨日の
「歯医者で考える子どもの進路」
と合わせて読んでもらうとわかります。
「歯医者で考える子どもの進路」