選択肢が増えると幸せになる・・は本当?「選択の矛盾」とは。選択肢が増えると不幸になるという話
5年前の記事からです。今はも同じです。「選択の矛盾」
進路相談
進路指導の相談が多いです。卒業生からも
「仕事を辞めた方がいいのか」
とか、受験生からも
「××になりたいけれど」
という相談も。卒業しても悩みはつきません。ある意味勉強よりも難しいですね。
というのは「正解」というのがわからないからです。その良かったとしても後々ダメになることもあるからです。
不登校
また、不登校の子を抱えているお母さんからも相談を受けています。
「学校に行っていませんが・・」
とか、
「どうしたらいいのでしょうか?」
「どうすればいいのでしょうか?」
という相談です。親としては学校に通わせたいが子どもは学校に行かない。
親はどうしても
「学校に行かない・・と」
と考えますよね。
そうすると
「じゃ、なぜ学校に行かないといけないのか?」
と考えてみると
「将来、上の学校に行けない」
「就職するとときに困る」
などいろいろ言われます。そして、
「選択肢が狭まる」
ということを言われます。私も何人もの「不登校だった子」を指導してきました。
その中で
「親が不登校から脱出して大学に行く子」
「自分で自分の行き先を決める子」
また、
「自分でも迷っている子」
などいろいろな子がいました。そんなときは、お母さんにこんな話をします。
選択の矛盾
それは「選択の矛盾」です。これは、TEDからですが、
心理学者バリー・シュワルツが、選択の自由という西欧社会の根幹をなす教義に狙いを定めます。
シュワルツの推定によると、選択は我々を更に自由にではなくより無力に、もっと幸せにではなくより不満足にしています。
今まで指導するときは
「選択肢がたくさんあった方がいいよ」
とか
「選択の幅を広げた方がいいよ」
という話をしてきました。
高校のときにも
「選択肢を広める」
という話ばかりをしていました。
それは「子どもの幸せにつながるから」と思ったからです。
ですが、今の指導では逆に「選択肢を狭める」とか、「選択肢を作る」という指導を考えています。
それは、「その方が子どもの幸せにつながる」からです。
それはいろいろ調べているうちに
「自分が信じていたことが違う」ということがわかってきたからです。
たくさんの種類のジャムの結果は?
例えば、ある実験でこんな話があります。
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あるスーパーのジャム売り場。
イチゴジャム、
ブルーベリージャム、
アプリコットのジャム、
マーマレードなどなど、
いろんな種類のジャムが置いてあります。そして、どちらが売れるのか次の実験しました。
それは、
1.24種類のジャムを用意
2.6種類のジャムを用意
ここでは、「どっちが売れた?」と思いますか?
実は「種類が多いか24種類かな?」と思いますか?結果は「6種類のジャムを用意した」ものです。
ここでは売れた話は置いておいて「満足度」という意味でも、買った人に調査したところ
「6種類の中からジャムを買った人」
の方が満足度が高かったそうです。通常は「選択肢が多い方がいろいろ選べて幸せ」と思われるかも知れません。
ですが、実際には「幸せを感じるのは選択肢が少ない」方だったのです。
6種類から選んだ人で、イチゴジャムを選んだ人は「やっぱり、イチゴが一番」と思って選んでいて、他の選択肢は考えていません。
ですが、24種類から選んだ人は「イチゴもおいしけれど他のももっとおいしかったかな」と思ってしまうのです。
選択肢が多いとうまくいかない
実は「いろいろできる人」が「社会に出てうまく行かない」のもそこに理由があります。
「選択肢がいろいろありすぎて1つのことに集中してがんばれない」
のです。
そういう私がそうでした。「いろいろ経験して何でもそこそこできる」と思っていろいろな仕事を経験しました。
「職業」もありますし、「職務」もあります。ですが、いつも「他にもあるのかな」と思って「100%の力」が発揮できませんでした。
ですが、独立して塾を始めてうまく行かなかったとき、それが変わりました。
「通常の形の塾」をスタートさせてたもののうまく行かない。また、自分の性格上
「一度にたくさんの子どもを指導する」
ということにストレスを感じていました。
「教える生徒はたくさん欲しい」
でも
「たくさんいるとストレスになる」
と2つの矛盾を抱えて仕事をしていました。
当然ですが、「生徒は集まらなかった」のです。
一番幸せに感じるのが「少ない生徒とじっくり話をする」ことなのです。
ですが、やらないといけないのは「生徒をたくさん集めて生活をしないといけないこと」だからです。
そして「挫折」「挫折」「挫折」の最後にたどり着いたのが「インターネット」でした。
そして、逆に「インターネットしかない」とたった1つの選択肢になったとき、その力が発揮されました。
今まで「うまく行かなった」ことがどんどんうまく行くようになったのです。
インターネットの世界に入ったときは
「うまく行かなかったら他をやろう」
とか
「うまく行かなかったらサラリーマンに戻ろう」
とか全く思いませんでした。
「道を1つに選んだとき」に力が発揮されたのです。
「不登校になると選択肢が狭くなって不幸」ではなく、
「より自分の力の発揮できる選択肢を選ぶようになる」
あるいは「選択肢を自分で作るようになる」のです。
ぜひとも、学校に行かなくなったことで選択肢は狭くなったかも知れません。
だからこそ「他の人とは違う選択」を真剣に考えたらいいと思います。