合格して成績が伸びなくなる子。そして、合格しても伸び続ける子。その子は仕事でもできるようになります。
ずっと勉強し続けているのに成績が伸びない子の話です。そして、勉強し続ける子の違い
合格して伸びなくなる子
小学校からずっと勉強しているのにもかかわらず、
「中学から成績の伸びなくなる子」
「高校から成績の伸びなくなる子」
がいます。その子の能力はおいておいて「勉強のやり方」についてお話したいと思います。
大手塾での話
以前勤めていた大手の塾での話。その校舎の校責(校舎責任者)と話をしていたときのことです。その内容は
「どうすれば成績を伸ばし続けられるのか」
というもの。というのは、「中学受験」が終わったものの「中学に入って伸びなくなる子」が多かったのです。
受験が終わった途端
「勉強をしなくなる子」
もいるのです。せっかく勉強して希望の学校に合格したのにその後勉強しなくて、希望の大学には入れなかった。また、逆に
「中学に入っても勉強を続ける子」
もいます。そして、
「希望の大学に合格」
する子もいるのです。子育てをしてみるとわかりますが「中学受験」「高校受験」「大学受験」がゴールでなく、大切なことはもっと先にあるのです。
もちろん「合格する」ということも大切ですが、「その過程」もかなり大切なのです。
私は塾の先生だから「勉強しなさい」とは言いますし、現実に「勉強しないと自分の夢は達成できない」というのもわかっています。
受験を乗り越えるだめには「苦しいこと」があるのも十分わかっています。ですが、
「勉強しないといけない」
「苦しいことを乗り越えないといけない」
と「~ねばならない」だけでは、「成績は伸び続けない」のです。
勉強を楽しむという考え
勉強を「楽しまない」と。こんなことを書くと
「何を理想的なことを」
「そんなのであればやってみて」
と言われそうですが、実は私も元々
「~せねばならない」
タイプです。塾に行かなくて一人で勉強していたときも、
「勉強をしないと・・」
「××をしないと・・」
でした。そうすると「長くやっていると疲れてしまう」のです。
「勉強はやらないといけないもの」
「勉強はしないと・・」
とその気持ちだけでやってしまうと長く続かないのです。さらに、続かないのが
「周りから言われてする勉強」
です。小学校のときには、「親の管理で成績アップ」しますが、成長するごとにそれも使えなくなります。反抗期が始まるからですね。
結局は「自分でやろうとしないと続かない」のです。
勉強を続ける子
では、「どうすれば続くのか?」と言うと
「勉強を楽しむ技術(スキル)」
を持っている子なのです。例えば、単純作業である「辞書での単語調べ」も「ダラダラと調べている」と時間がすごくかかります。
ですが、キッチンタイマーを使って「ヨーイ、ドン」で調べてタイムを記録するだけで、「単語調べの記録会」になります。
実際に私もこれを子どもにやってもらっています。すると
「今度は30秒を切るぞ」
「次は新記録だ」
と喜々としてやるようになります。また、これを
「他の子と競争する」
とお互いに勉強の励みになります。また、問題集を解くときも
「連続してどれだけ〇が続くのか?」
を「チャレンジ目標」にすると
「連続〇記録更新中」
となって慎重に問題を読むようになります。これを子どもは「喜んでやる」のです。
単純作業の仕事を楽しむ
実はこれは仕事でも同じです。私は「派遣の仕事」を何年間かやっていました。具体的には
「大手の会社で電子レンジの組み立て」
「自動車用オーディオの組み立て」
など本当に「単純作業」です。でもやっている人はみんな
「退屈そうにして、終了時間を気にして時計を見ているようでした」
その中で
「いかにたくさん作れるのか」
「いかに楽にできるのか」
とかいろいろ自分自身に「チャレンジ目標」を決めて取り組んでいました。そうして、仕事をしていたら面白くなってきました。また、
「こうすればもっとよくなるのでは?」
と提案していました。働く場所によっては
「ありがとう。それはいいね」
と提案を受け入れてもらうことができました。そして、どうなったのか?
「時給が上がった」
のです。派遣のときには
1300円→1400円
経理のアルバイトのときには
800円→900円
と評価してもらうことができたのです。今まで
「退屈で苦痛だった作業」が「面白い仕事に変わった」
のです。今まで作業だったものがいろいろアイデアが浮かんでくるのです。
新入社員でも楽しむ
また、最初に入った職場でもダイレクトメールを送る仕事をしていました。
「顧客にセミナーに来てもらう」
仕事です。そのときも作業をしていたのですが、当時の上司から
「君は仕事をしているのか?」
と。一生懸命袋詰めしている私に対して言うのです。そして
「君のやっているのは【作業】。【仕事】をしなさい」
と。どういうことかと言うと
「言われたことを単純にやっているのは単に作業をやっているだけ。仕事はいかにお客さんにこのダイレクトメールを見てもらうのか?いかに手に取ってもらうのか?それを考えること」
と言われました。それから
「詰める順番を変えてみる」
「ダイレクトメールのタイトルを変える」
「封筒に見てもらう工夫をする」
などいろいろ考えていきました。こうやって
「チャレンジ目標を持つ」
「自分でできる工夫を考える」
「工夫をやってみる」
ことで楽しくなっていくのです。勉強も「楽しさ」を入れていけば長く勉強することができます。
これが実は
「就職のときも使える楽しむ方法」なのです。
そして、「楽しむから続けられる」のです。勉強も仕事も。