成績もやる気も上がらなくなる!?勉強に悪影響を与える「学習性無力感」とは
こんにちは、やすです!
今回は「学習性無力感」についてです。
なんだか難しそうなキーワードですが、受験や成績アップにも大きく関係する話です。
受験に必要なもの
受験に必要なものはなんでしょうか?
計算力
語彙力
思考力
基礎力
全部必要です。
しかし、プロからみるとそれ以上に大切なものがあります。
中学受験で上がりにくい子の特徴
以前、雑談の中で長年中学受験の指導をされている先生達と「中学受験で上がりにくい子の特徴は何か?教える時に苦労する子はどんな子か?」という話をしていました。
その中で出てきたのが「自己効力感が低い子」でした。
自己効力感とは、簡単にいうと「自分はやればできるという感覚」です。
つまり、自己効力感が低い子とは「どうせ自分なんてやってもできない」と感じている子ということになります。
こういった子ははっきりいうと成績を上げるのにとても時間がかかります。
勉強のやる気がないとかよりももっと根が深いからです。
学習性無力感
こういう場合のほとんどは、塾や勉強の中での経験で「どこかで自分はやってもできないんだ。意味がないんだ。」と考えるようになってしまっています。
これを「学習性無力感」といいます。
「学習性無力感」とは、「長い期間にわたって回避できないストレスを経験することで、その不快な状況から逃れようとする努力すら行わなくなってしまう現象」のことをいいます。
例えば、
塾の宿題や授業が分からなくてやってもどうせできないからそのうち宿題や真面目に授業すら受けなくなってしまう。
塾の先生や親があれこれ指摘やアドバイスをしているのに返事は上の空。何も行動に起こさないし自分から何かをしようとする意志も感じられない。
などのケースがあります。
セリグマンの犬の実験
また、この「学習性無力感」に関する実験として以下があります。
1967年のセリグマンとマイヤーの実験
研究チームは雑種犬を箱に入れて、さらに両脇をパネルで置いて身動きが出来ないようにしました。実験はペアで行われ、両者ともに無害だけれど不快な電気ショックを周期的に与えられました。
一方の犬が入っている箱には犬自身が電流を止めることが出来るスイッチが置かれており、もう一方の箱にはどんなに犬が電気ショックでもだえても電流を止めることが出来ない状況でした。自分の意志で環境を変える事が出来た犬と出来なかった犬で違いを設けたのです。
次にこの2匹の犬を今度は別の箱に置き、その箱では最初の箱と同様に電気ショックが流れるけれども、低い柵で囲った向こう側には全く電気ショックが流れない環境でした。つまり、その気になればいつでも電気ショックから逃げられる環境でした。
結果は、最初の箱で自分で電気ショックを自分で止めることが出来た犬は電流が流れても回避する方法を直ぐに見つけることができましたが、自分で電気ショックを止める事が出来ない環境に置かれた犬はいつでも逃げられる状況に居るにも関わらず萎縮してただじっと電気ショックを耐えていたとのことです。
今だと倫理的に出来ないような実験ですが、無力感も学習するものだという知見を示したこの実験は当時の心理学の様相を一変させたと言います。
引用元:CreativeIdeaNote
犬で実験するなんてかわいそうだとかいろいろと思うところもありますが、ここで恐ろしいのは不快な音で人間でも同じような実験をしたところやはり同じような傾向がみられたということです。
このように学習性無力感を植えつけないためにも周りの人の声かけが重要です。
実際にうちの塾ではどのようにこれを予防しているか、また克服するように意識しているかについて、ご家庭でも使える内容を今週のセミナーで話をしていきたいと思います。
何かの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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